学術講演

開催報告

より機能的な総義歯を求めて
2011.07.10

平成23年7月10日、大阪国際会議場で2011年度第1回学術講演会が開催され、東京都で開業の深水皓三先生とPTDLABOの堤 嵩詞先生が「治療用義歯を用いた総義歯治療」について講演された。
まず、深水先生からは総義歯作製の印象には維持力のための印象と支持力のための印象があることが説明された。維持力のための印象はあるがままの印象、つまり無圧印象でなければならないことを述べられた。この印象では解剖学的指標に基づいた規格模型を作成し、作るべき総義歯の三次元的形態を想像すること。次に、咬合採得に移行した場合に重要なことは咬合平面の設定であり、カンペル平面に平行なラインを仮想咬合平面とするが、それは体幹軸に垂直である必要があること。また、顎の対向関係によってはカンペル平面にとらわれず設定する場合もあること等について解説された。支持力を得るための印象は機能印象を行い、義歯形態は術者が作れるが十分な咀嚼機能を得ることはできないので、治療用義歯でトレーニングを重ね、機能を回復するような形態を作り上げて行く必要性を強調された。
一方、堤先生からは技工士の立場上、患者さんと接する機会が少ないため、チェアーサイドの歯科医師の仕事をいかに快適にするかが技工士の役目であると述べておられた。そのために、歯科医師との術前のコミュニケーションが大事であり、技工上の工夫を常日頃から研鑽することが重要であると述べられていた。特に、前述の規格模型を通して患者さん個々の立体的な義歯のイメージを歯科医師とともに共有することは総義歯作製のため重要な役割であることを強調されていた。
講習会は豊富な症例を動画を交えて進み、活発な質疑応答で有益な講演となった。

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