学術講演

開催報告

『だめな義歯から、よい義歯へ −明日からの総義歯補綴を変える、技と知恵―』
2015.01.15
「Denture Space」を意識した総義歯補綴

2014 第3回
2014 第3回
 平成26年12月7日(日)、サニーストンホテルにて、鈴木哲也先生を講師にお迎えし、『だめな義歯から、よい義歯へ −明日からの総義歯補綴を変える、技と知恵―』と題して、第3回学術講演会を開催致しました。
 講演の中で先生は、そもそも義歯は、失った歯・顎を補うものであり、顎堤の吸収が大きい場合、その吸収を読む必要がある(どこがどれだけ吸収し、こうなったのか?)。また、元々をイメージして戻すこと、義歯の左右対称性も大事であると、述べられました。そして良い義歯のイメージをつかむ方法として、Denture Spaceの考え方を教えて頂きました。
  Denture Space:歯槽骨の吸収に合わせて、積極的にその分を補う。 
  Denture Spaceでない:必要最小限にとどめる。
講演中の重要なキーワードとしてこのDenture Spaceの考え方が大事であると述べられました。
 この考えを基に、下顎義歯の床形態における後顎舌骨筋窩(S字カーブ)を覆う部分はなくてもよい。むしろ凹面形態にして舌で押さえやすい形態する。なぜなら下顎舌側床縁はDenture Spaceではないので、顎堤の吸収は受けない。すなわち、床縁は薄くして良い(厚くしなくてよい)と、述べられたことは大変参考になりました。
 咬合採得については、なぜ、我々は間違ってしまうのか?の疑問に対して、咬合床では、そもそも咬合採得は上手く採れない!開き直ることが大切であり、粘膜と咬合は表裏一体で、要は噛めばずれる事を念頭におき、少しでも正しく採りたければ、ロウ堤の接触面積を少なくする。つまり下顎臼歯の一部だけ咬合させる設定で、採ることが大事であると述べられました。特に、フラビーガムの患者には、ゴシックアーチはやらない(ゴシックアーチ禁忌)。なぜなら、スライスの位置が重心になりえない。フラビーガムの患者は大臼歯で咬合させ、前歯の被蓋はあまりさせないのが大事であると教えて頂きました。
(文責:学術担当理事 月野 伸一)

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