長年の臨床経験に基づいた貴重な講演に大反響
2009年度第1回学術講演会は9月13日(日)にタカラベルモント大阪本社会議室で開催されました。 講師には横浜市でご開業の續 肇彦先生をお招きして『歯科臨床は、どこまで人と深く関わるのか-45年の臨床から教えられたこと-』 と題してご講演をいただきました。
長年にわたる数々の症例を併覧しながら示唆に富んだお話を多くなされ、十分な裏付けはないが後述のようなことに要約され ました。
噛み癖もしくは咬合の低下がおきると、その側の関節頭が後上方へ偏位したり、歯牙の圧下や筋の緊張がおきることがある。 その結果、反対側の臼歯が挺出したり、咀嚼時、平衡側に干渉が生じ、それが原因で肩こりや不眠・頭痛が出現するとのことで した。その治療には、患側にミニスプリントを装着し、小臼歯部を支点に関節頭を前下方に回転させると共に、低位咬合をきたさ ない補綴物を装着する必要があると述べておられました。
また、犬歯での誘導が不十分になるとチューイングサイクルが平坦化し前述と同様な現象がおきるので、上顎犬歯に金属板を 接着し犬歯誘導の確立・チューイングサイクルの鋭角化をはかる必要があることを先生は種々の症例を交えながら述べておられ ました。
しかしながら、すべての症例が当てはまるわけではなく、その都度試行錯誤を繰り返しながら進める必要があることを強調さ れていました。
講演中にも活発な質疑応答が行われ、参加者も納得のいく一日ではなかったかと思います。
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