補綴物のより確実な治療を目指して
修復治療における診査診断と治療ゴール ―補綴物の長期安定のために―
2010年度第1回学術講演会が、平成22年6月20日にタカラベルモント大阪本社にて開催されました。
講師は、熊本県で開業されている同窓会14期生の清水幹広先生でありました。先生には「修復治療における診査診断と治療ゴール ―補綴物の長期安定のために―」と題して講演をして頂きました。
講演の中で先生は、確実な治療をするために、
(1). 問題点の具体的把握
(2). 明確なゴールの設定
(3). 確実なテクニック
(4). 治療後の評価
(5). (4)を鑑みながら永続性をはかる
といった5つのステップについて、各々を確実に解決しながら治療を進めることが大事であると述べておられました。また、前述を踏まえ、ケースを生理的正常咬合の位置とそうでない場合にわけ、前者では「はい噛んで」で治療を進めることができる容易なケースになること。後者の場合は中心位を決定し、補綴処置を進める必要があり、臼歯サポートの確保、前歯誘導の確立など前述(3)を強く求められるようになると述べておられました。その上で10ケースについて提示され、最初の2ケースは生理的正常咬合の場合で主訴のみの対応で解決する症例、さらに徐々に難易度が上がる症例を提示されました。最後に患者の年齢と残存歯の状態を鑑みたケースが提示され、補綴介入の是非について深く考えさせられる症例でありました。
講演は終始和やかにすすめられ、受講者はみな満足のいく半日であったと思われます。
|