インプラントのトラブルとその対応
平成25年2月17日(日),タカラベルモント大阪本社会議室にて,大阪府高石市開業,ITI fellow, 韓国キョンヒー大学客員教授,中島康先生をお迎えし,「インプラントのトラブルとその対応」と題して第4回学術講演会が開催された.
インプラント治療が日常臨床に定着し,咬合再構築には欠かせない手法として認知されているが,その裏腹にインプラントの合併症も増加しているのも事実である.インプラントの合併症を,1.早期喪失 2. 手術における合併症 3.機械的合併症4.技術的合併症(技工)5.審美的合併症(患者の期待度)6.生物学的合併症(周囲炎)の6つに分類し,臨床と文献とを照らし合わせての内容で講演が進んだ.健康な歯周組織の天然歯の生存率は50年で99.5%,歯肉炎が時々認められる天然歯の生存率は50年で94%,重度の歯周炎で定期的に管理されていない天然歯の生存率は10年で92〜93%,インプラントの生存率は10年で82%〜94%. EAOレビューからの抜粋で,天然歯とインプラントを比較した際は天然歯の生存率が高いと報告されている.このような現状をふまえてインプラント治療はどのような症例に適用すれば最大の効果を発揮するのか,あるいはトラブルが少なく押さえられる考え方や周囲炎になった際に治療に使用する最新の機材とその効果を分かりやすく解説された.
質疑応答に際しては,中島先生の温厚な雰囲気もあり,質問しやすい空気で時間を押す質疑応答となって幕を閉めた.
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