歯科の臨床現場に求められる感染対策とは?
平成25年6月9日(日),タカラベルモント大阪本社会議室にて,日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士,日本口腔インプラント学会専門歯科衛生士委員会委員,有限会社ハグクリエーション代表,柏井伸子先生をお迎えし,「歯科の臨床現場に求められる感染対策とは?」と題して第1回学術講演会が開催された.
我々歯科医院の臨床現場において,治療の高度化,難易度がますなか、歯科医師のみの知識と経験では治療・組織運営が円滑に進まず,歯科衛生士の役割がますます増えてきている現状がある.隆盛を極めている歯科医院の現状として勤務する歯科衛生士の数に比例しているとの報告もある.またその中でも歯科衛生士の講習会の参加率において更なる相関関係があるとされている.
講演一週間前に北欧で開催されたヨーロッパ口腔外科学会から帰国したばかりの先生で,‘時差ぼけで心配です‘との冒頭の挨拶をもろともせず,受講生を釘付けにする滑舌の良さで講演が始まった.自分自身が健康で安全・安心でなければ,患者にも健康を提供できない.そして,4つの柱として,1 . 洗浄 2 . 消毒 3 . 滅菌 4 . 保管 をテーマにお話をいただいた.超音波洗浄機の泡の役割と最大の効果を発揮するまでの時間の設定方法.消毒の方法として『スポルディングの分類』を紹介して頂き,滅菌パックの効率よい使用方法.滅菌した器具を如何に効率よく保管する方法等を細かに伝授いただいた.参加者の割合として歯科衛生士が大半を占めていたが,先生方にも是非お聞き頂きたい内容であった.
質疑応答に際して,柏井先生の温厚で心穏やかな雰囲気もあり,質問しやすい空気で時間を押す質疑応答となって幕を占めた.
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